さざなみの森

  • 2020.02.07 Friday
  • 13:26

 

 

 

先日2年振りに展示でお邪魔した東広島の認定こども園、さざなみの森。

私が初めて訪れたのが2011年。そこからほぼ毎年のようにここへ来ては

園の空間の設えに使うものを作ったり、270人ほどの子供たちが着る物使う物を一緒に考えたりしてきた。

 

植物染色でこども園と関わる、と聞いて一般的に思い浮かべるのは子供達や父兄を対象にしたWSくらいではないかと思う。

2011年に初めてお邪魔した時は前もっての園児たちへお知らせはあえてせず、ある日突然彼らの生活空間である自然豊かな園庭に

大きな鍋と共に現れ、薪で火を焚き、夕方にはあらゆる色に染まった沢山の布を園庭いっぱいにはためかせて去る。ということをやらせてもらった。

「みんな集まれ〜」的なことは何一つしない。私たちはいつもやっていることをただ淡々とそこで行い、自分から興味をもってやってくる子供には手伝ってもらう。火を焚くのに興味のある子、布を混ぜる作業に寄ってくる子、干した布に一枚一枚触りながら走る子。関わり方はそれぞれに、自由。

 

 

園のディレクターである菜穂ちゃんの柔らかいけど芯の強い目論見と私のやりたいことはこの1回目で見事に合致したと思う。

数年通ううちに園に子供を通わせるお母さんの中から「染め部」が発足し、9年位経った今もその活動は続き、運動会の時に着る上衣は見事にお部屋(クラス)ごとに様々な植物の色に染め分け続けられている。

植物の色と染めるという行為がさざなみの森にはしっかりと根付いていてとても嬉しくなる。

 

染色以外にも、様々な体の使い方や、食事のことを皆で学んだり、子供の部屋で写真展や音楽家を招いたりと様々な取り組みをされているのだけど、そのどれもがさりげなく生活の中におこったり

配置されている。

この園に関わる人たちのセンスと、惜しみない対話と、深く考え何が大切かをきちんと見つめる姿勢は決してメソッド化できるものではない。だからこそ、さざなみの森から言葉の通りさざなみのように波及してゆく何かがこの国の保育、環境づくり、街作りへとじわじわと影響を与え始めているのだと思う。均一化せず、内部外部大人子供問わず一人一人と変化しながら互いに向き合って行くということに公教育の場で取り組む姿勢と、常に新しく更新されていく場を育て、生み出していることに感動する。

 

 

 

今年の4月、今の園舎から少し歩いたところに分園が開設される。

そこでやろうとしていることは決して突飛なことではなく、生命に対してごく素直で、関わるものが互いに生かし合う様な場作りだ。

私も少し関わらせてもらうことになり、とても嬉しい。

 

今回滞在中に園長は72歳のお誕生日を迎え、園の次代を担う若い夫婦も素晴らしい節目を迎えてあたらしいはじまりの時だった。

さざなみの核が家族による運営である、ということもひとつ重要なこと。家族で何かを協同するのは自然なようだけどすごく努力が必要なことでもある。世代間の価値観の違いや、互いの意見の相違もひとつずつ丁寧に掬い取りバランスを取っている。

そんな中、家族ってなんだろう?と友人達と語り合う時間も持てた今回の滞在だった。

 

 

この投稿をするにあたって、現副園長補佐でもあり、kittaのロゴやDMのデザインの多くを担当してくれているグラフィックデザイナーの松井さんが2011年に撮影した写真を久しぶりに見た。

私も若く私の子供たちもまだ幼くて、その時に流れていた愛おしい時間が蘇って泣きそうになった。松井さん、素敵な写真をありがとう。

 

今回 kitta史上最短の告知期間にも関わらず各地から展示に足を運んでくれた皆さん、ありがとうございました。

 

そして沢山のおめでとうがあったさざなみの家族に感謝を込めて。

 

 

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